不況の中、専門性を高めてUSCPAを生かした就職を勝ち取る

村山 紫 村山 紫 さん
ニューヨーク在住
通信コースにて合格

ビジネススクール卒業後の進路を模索

私が初めて米国公認会計士(USCPA)を意識したのは、ビジネススクール在学中の1年の終わりのころだった。卒業後の進路についていろいろ模索していたなかで、USCPAのライセンスはアメリカに残って仕事ができる一つのオプションとして魅力的に映った。

ただ、具体的にどうすればUSCPAが取得できるのか調べてみたところ、一番取得要件が低い州でも、大学で会計学や経営学を専攻していない私の場合、ビジネススクールでの授業をすべて会計で固めても、少し必要単位が足らないことがわかった。会計のみならずマーケティングや経営戦略などを全般的に学びつもりで来ていたこともあり、会計のみに絞るのはためらわれた。

先輩の話を聞いても、要件を満たしたとして予備校に通わないと準備が十分にできないので実際には合格は難しいとのことで、私はこの時点でUSCPAのオプションは実行不能との結論を出した。

MBA取得後・・・バブル崩壊

MBAを取得後、米国最大手の通信会社に入社した。MBAを対象とした Leadership Development のプログラムに入っていたので、ビジネスの様々な分野でのローテーションがあり充実した日々が続いた。

会社も成長を続け、このままいくかと思いきや、2000年にテクノロジー全盛期のバブルがはじけた。しばらくするとレイオフが始まり、その動きは海外の拠点を含めて会社全体に広がっていった。何度かのリストラの波をくぐり抜けた私だったが、ついに3年後には組織全廃という決定が下され退社を余儀なくされた。

専門性を高めることの重要性を実感

しばらくは次の進路について考えながら、就職活動を始めることにした。ローテーションで、ファイナンスを始めプロジェクトマネージメントやマーケティングなどの経験があったので、仕事が見つかるのに時間はかからないだろうと甘く見ていたのだが、それは間違いで、折からの不況と職務の専門性を重視するアメリカの社会風土のなかで、MBAであるとはいえ私の幅広い経験は思ったほど有利に働かないことがわかった。

これは日本にもあてはまることだが、終身雇用の基盤が崩れ流動性が増していく社会のなかでは、個人の専門性を高めることはジェネラリストをめざすより今後はるかに重要になると言えよう。

再度選択肢に挙がったUSCPA

さて話は元に戻るが、このような状況で、もう一度自分が何をやりたいのか、何に向いているのかを真剣に考えることにした。そんななか、USCPAのオプションがいま一度、頭に浮かんできた。前の会社で一度CPAであるボスを持ったことがあったが、その資格は社内でも非常に高く評価されていた。

またSarbanes-Oxley (SOX)が始まったことから、CPAに対する需要もかなり高くなりそうだった。問題はどうやってUSCPAを取得するかである。会計学はしばらくやっていなかったし、受験の手続きもよくわからない。また、新制度に移行するという話も聞いていた。早速本屋に向かった。Wiley の参考書を4冊買い込む。一冊の厚さはかなりのもので、目標が定まったとはいえ、これを一人で勉強するかと思うと正直気が重くなった。単位もまだ足りない。インターネットで何かないかとリサーチをしてみる。

プロアクティブ/グアム大学のプログラムについて知ったのもそんなときである。

私は知らなかったのだが、日本でもUSCPAが人気になりつつあった。佐々木先生のモデル授業をクリックして見て、これならいけると確信した。グアム大学を通じて必要な単位も取ることができる。プロアクティブのホームページを読んでみると、アメリカ各州のCPA受験の要件や応募フォームなどについての情報も細かく提供されており非常に心強く思った。早速申し込みをして、必要単位の取得から始めた。

3ヶ月の間で2科目を終えたが、その後、交通事故から手術・リハビリなどで一時中断。体調が戻った時点で、就職活動があまり長くなるのは好ましくないと判断して、5ヶ月以内に4科目合格することを目標にDVDでの勉強をどんどん進めていった。アメリカ人の友人たちには無謀だと言われたが、躊躇している暇はなかった。信じて行くのみ。

予定通りに試験を全て終了し、残りの結果を待ちながら徐々に就職活動を始めた。

試験合格後

合格が明らかになると同時に、ヨーロッパに本社をおき消費者向けの製品を数多く出しているGlobal Fortune 100の会社において短期のファイナンスマネージャとして採用された。

CPAの威力(?)はたいしたもので、その任期が明けるころ、ニューヨーク州を中心に不動産投資及びその管理を大々的に行っている会社のタックスマネージャの仕事が入った。Assistant Controller のポジションが空き、そこにずっといることも可能だったが、やはりもう一度アメリカの大企業に戻って、CPAを活かした仕事をしたいという気持ちがあったので、タックスの経験を積みながら就職活動も引き続き行った。

現在は・・・

今回はCPAの肩書きがあることもあり、おもしろいように話が舞い込んできた。CPAであるというのはやはり一つのステータスであるし、会計の分野で専門性があるというれっきとした証明であることがよくわかった。そうして5ヶ月も経たないうちに、これ以上望めないほどのチャンスが訪れ、現在はFortune 100の石油・エネルギー業界の会社で、ファイナンス部の Managerとしてアメリカ人6人の会計士を抱え忙しい毎日を送っている。この間、CPAのライセンスも取得。

さらに経験を積みながら自分のキャリアをアップをめざしていきたいと思っている。

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